AEDを購入やリース(レンタル)を検討される方にとって、コストパフォーマンスの良い取得手段を知りたい方が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。AEDが世間に出始めた頃、通常であれば救急隊が使うような50万円以上のAEDが普通に販売されていた時期もあり、一般家庭に広く出回って普及することはなかったです。現在では一般家庭でもAEDが利用できるよう安価なAEDが販売されるようになり、心臓病を患っている家族がいる方々にとっても手の出しやすい価格に落ち着いてきました。とはいえ、人の命を救うことのできる医療器具なので、一般家庭で導入にするにはまだまだ高額と言って良いでしょう。そこで今回はAEDを購入またはリース(レンタル)する際に皆様が損をしないで手に入れる3つのポイントについて説明していきましょう。

1.AEDを購入検討する際、トータルコストで比較されていますか?

 ① AED本体価格だけで比較していませんか?

AEDは医療器具ですので購入するだけの費用だけではなく、メンテナンス等にも費用が掛かることをご存じでしょうか。どうしても本体価格に目が行きがちですが、購入した後にどれだけ費用が掛かるのかをこの機会に理解していきましょう。

まずは本体価格についてですが、2019年6月現在のAEDの価格は大体20万円~35万円で販売されています。消防やレスキュー隊などのプロフェッショナル向けのAEDは、心電図が表示されるなどの高機能モデルでは50万円を越してくるものもありますが、一般人が使うモデルでは20万円~35万円程で販売されているのでそれを目安とすると良いでしょう。その際、本体価格の予備として付属している消耗品のバッテリーや電極パッドが含まれている場合がありますので、必ず確認をしましょう。中にはオプションとして販売しているケースもあり、購入時の20万円~35万円程に加えて、約2年に1度電極パッド(1万円程)の購入と、バッテリー(3万円程)の購入が必要になるケースもあります。

またAEDをリースした場合は、月額3,500円~4,500円前後が相場で、5年契約が一般的なようです。仮に、月額4,500円のAEDをリースした場合、5年間(60カ月)で計算すると総額は約27万円前後です。

さらにAEDをレンタルした場合は、月額4,500円~6,000円前後が相場で、5年間契約が通常です。仮に、月額6,000円のAEDをレンタルした場合、5年間(60カ月)で計算すると総額は約30万円程。6,000円であれば総額は約36万円前後です。


このように本体価格だけでも金額に開きは出てきますが、次節ではメンテナンスに掛かる費用についても比較していきます。

 ② 部品交換などのメンテナンスで掛かる費用も計算しよう。

前節では本体価格について話をしていきましたが、AEDを取得してから費用が掛かるということはまだまだ世間では知られていないようです。では実際にメンテナンスに掛かる費用について説明していきましょう。

AEDの代表的なメンテナンスとしては以下のようなものがあります。

・電極パッド交換

・バッテリーの交換

メーカーや機種によっても異なりますが、電極パッドは経年劣化が早いため、約2年に1回交換しなければなりませんし、バッテリーは約4年に1回交換の必要があります。さらにAEDを初期導入した際、初めから電極パッドがついていなくオプションで購入しなければならない場合もあるので、十分気をつけておきましょう。

例えば、購入でかかる料金をリースやレンタルと同じ5年間でみると、電極パッド2回交換、バッテリーを1回交換するとなると総計で約5万円かかりますので、一般家庭で導入を検討されている方にとっては相当の出費となるので、そのことも念頭に入れて購入やリース(レンタル)またはどの機種を購入されるのか検討されることをおススメいたします。また前述でリース(レンタル)は5年間の契約が一般的とお伝えしましたが、AEDの耐用年数は一般的に7年のものが多いため、再リースを行って耐用年数一杯使用する場合は、5年間の費用に加えて再リース費用と電極パッドを購入する必要があります。また、小児用としてAEDを所有しなければならないご家庭は、小児用の電極パッドを同様に2年に1回交換しなければなりません。

このようにAED本体以外でもAEDを正しく使うためにメンテナンスとして掛かってしまう費用が存在します。また個人で行う日常点検のほかに、メーカーが有償で行っている定期点検(1回2万円)などもありますので、それをご希望の方はそういったことも踏まえたうえで、ご本人たちにとってベストなAEDを購入されてみては如何でしょうか。

2.保証年数がメーカーや機種毎によって違うのってご存じですか?

 ① 保証年数と耐用年数は必ず確認しておきましょう。

AED本体とバッテリーや電極パッドなどの消耗品は保証年数と耐用年数が決まっています。

日常的に電極パッドやバッテリーの使用期限がいつまでなのか、AED本体が使用可能な状態なのかを点検しておくことが肝心です。日々点検を行うために、ご家庭や職場などで点検時間や項目、担当者を決めておきましょう。消耗品の使用期限を把握するためにも消耗品を交換したら、交換時期表示用のラベルに交換時期を記入たり、日常の点検表に記載して次回の消耗品交換日を忘れないようにしておくと良いでしょうか。なお、日常の点検表は各AEDメーカーや販売業者のホームページからダウンロードできる場合もありますので、確認しておきましょう。またメールなどで消耗品の交換時期を知らせてくれるサポートサービスを提供している場合もあるので、一度メーカーや販売業者に確認してみると良いでしょう。

またAEDは正常に作動するかどうか診断する自動セルフテスト機能を搭載しており、電極パッドの接続やバッテリー容量などが自動診断され、結果がAED本体のインディケーター部分に表示されます。インディケーターに表示された結果を見て、使用可能か否かを判断します。もしインディケーター部分に異常が表示されたら、取扱説明書を参照し、必要に応じて販売業者などに連絡して修理や再点検の依頼をしましょう。

このように日々のメンテナンスを怠らず、適切に管理していたとしても、AEDには耐用期間があります。耐用期間を過ぎたAEDは、メーカーが提供する製造時の信頼性と安全性を維持できなくなる場合があります。メーカーによっては、製造番号から残存耐用期間をWeb上で確認できるサービスもありますので、ご自身が所有しているAEDの保証書を見ながら確認しておきましょう。もし不慮の事故などでAEDが故障してしまった場合でも、保証期間内であれば、メーカーまたは販売業者が無償で修理できます。

一般的にAEDの保証期間は5年程度ですが、中には保証期間が8年のメーカーもありますので、AEDを新しく導入する際には比較検討するとよりコスパの良い良質な製品に巡り合えるかもしれません。

 ② 保証年数と耐用年数が長いとどんなメリットがあるのか?

端的に言ってしまうと、以下の2点になります。

・故障した場合、無償で修理や交換ができる(※故意の場合、左記の通りだけではない)

・耐用年数が少ないものに比べて長く利用できるため割安である

保証年数と耐用年数が長いと上記のようなメリットはあります。一方で、費用対効果を考えれば耐用年数を目一杯の期間で設置したいところですが、年数を経るほどAEDが故障するリスクは高くなることもあります。保証期間を過ぎて故障した場合の修理は有償になりますが、修理しても耐用年数まで2〜3年しか残らない機種がほとんどです。それならば故障のリスクが低い新品に買い替えた方が無難かもしれません。このように耐用年数まで使用する場合には有償修理の費用も見込んでおく必要があるので、実際の耐用年数=保証期間と考えて、保証期間ごとに買い替えていくのも一つの手段かもしれません。

なお、保証期間については、高所から落下させた場合やAEDの保管基準温度を越える高温や低温の場所に保管した場合、水に浸した場合など、設置者側に過失がある故障の場合は保証の対象外になるので注意しておきましょう。

AEDを購入する際はどれだけ安価だったとしても粗悪な商品はNGです、人の命が掛かっている医療器具なのですから。販売価格も重要ですが、顧客目線を持ったアフタフォローがしっかりしたメーカーや販売業者を選ぶようにしましょう。後々後悔しないためにも「安価」と「サポート体制」が整った販売店を探されることを推奨いたします。

3.購入またはリース(レンタル)で、どのようなメリットとデメリットがあるのか?

 ① 費用が高くついてしまうリース(レンタル)のメリットって?

AEDを購入する最大のメリットは、トータルコストが一番安く抑えられるということです。

イニシャルコストとしてはレンタルやリースよりも掛かりますが、AEDの耐用年数である約7年間の維持費も含めたトータルコストを考えると最も安価になります。もし分割で購入するのであれば、本体価格とその利率を支払いっていき支払いが完了すれば、リースのように再契約に掛かる費用も必要ありません。

また、地域や施設によっては自治体の補助金や助成金を活用できるケースもありますので、AED購入時のイニシャルコストの多くを補助金でまかなうことができます。もちろん消耗品の購入を入れたとしても、長期間保有することを考えるとトータルコストとしてはレンタルやリースよりも安価に収めることが可能です。

一方で、AEDリースやレンタルの場合は、消耗品の無償交換やリモート点検などメンテナンス費用も月額の費用に含まれているため、長期的には割高になる傾向があります。

しかしAEDリースやレンタルの最大のメリットは、初期費用が安く短期的な利用目的に向いています。例えば、会社行事を行うときだけ設置しておきたい時や、世間へのアピールとして企業や団体にとっては導入する際に予算がつきやすいという点などは大きなメリットといえます。

さらに定期的にメンテナンスの手間が不要というのも大きなメリットと言えます。リース会社やレンタル会社が点検管理してくれ、消耗品交換も毎月の利用料だけで行ってくれます。このように、AEDの初期導入のハードルの低さやメンテンナンスなどの手間が掛からないことが大きなメリットといえるでしょう。

② リース(レンタル)は毎月の費用にメンテナンス代が上乗せされる。

多くのAEDリースやレンタルではメンテナンス代もリース会社またはレンタル会社負担になります。そのため、電極パッドなどの消耗品の交換費用も料金に含まれているため、購入と比べて毎月の費用と比較して割高となっています。ただし会社や機種、契約内容によっても異なってくるので必ず確認をしておきましょう。

このように、購入とリース(レンタル)の大きな違いとしてはAEDの保守管理を委託できるかという点です。リース(レンタル)の場合には、AEDの保守管理はリース(レンタル)会社の負担になることが多いので、メンテナンスに掛かる負担は減ります。しかし、日常の管理をレンタル会社に任せっきりでは、いざという時にAEDを上手く使用できなくなることも考えられます。例えば、自分では日常の点検をすることがないので、AEDの設置場所を忘れてしまうことも考えられます。日頃からAEDを意識することで、緊急の場合でもスムーズにAEDを使用しやすくなることでしょう。

まとめ

AEDの種類や性能が進化を遂げていくにつれ、AEDを所有するための手段も増えています。

今まではAEDが高額だったからリースやレンタルしか考えられなかった方が「購入した方が安価」ということに気付き、購入しか考えなかった企業にとっては、「短期でパイロット的に使うのであれば」リースやレンタルを検討しても良いかもと気付かれたのではないでしょうか。

われわれにとってはAEDを取得する選択肢が増え、本当に必要なものを見定める目を養うことがより重要になってきたと感じております。その中で、AEDとはあくまでも尊い人の命を助ける医療器具だということも念頭に入れて、ご自身にとって最も価値のあるAEDを取得して、いざという時に生かして欲しいと考えます。