分かっているようで分からないのがAED。「心肺停止の人に取り付ける機器」という事実は知っていても「どのように活用するのか」「いつ取り付けるのか」などは企業でAEDの研修でもしない限りは知る術が少ないようです。まずははじめに、どのようにAEDの使い方から簡単にご説明していきます。

AEDはそもそもどのように活用するのか?

ご自身の周りで不意に意識を失い、倒れた方を見つけ救命措置に関する知見がない場合はまずは119番に電話をすると思います。しかし救急車は電話があってから現着するのは東京消防庁のデータによると平均で7分30秒かかると記されています。また総務省の調査では救急隊が駆けつけ、さらに病院に収容されるまでは約39分18秒掛かると調べが出ています。救急隊が現着するのに7分30秒、病院収容まで約39分もの時間がかかってしまい、その間適切な処置がなかったら狭心症や心筋梗塞などからくる心肺停止の方はほぼ命が助からないでしょう。また心臓が停止してから1分ごとに救命率が約7~10%低下するという報告がありますが、適切な心臓マッサージが心肺停止の方に行われた場合、救命率を上げることができます。つまり、適切な処置が行わなければ時間が経過すればするほど助かる確率は下がります。

万が一、心肺停止で意識が混濁として倒れている方を見つけた場合は、AEDの手配と同時に心配蘇生法を試しましょう。次に、心臓が動いているかどうかを確認しますが、切羽詰まった状況下では正しい判断を下すのは難しいので呼びかけに反応をしない場合や呼吸をしていない場合にはただちに心臓マッサージを開始します。胸骨圧迫を30回、つづけて人工呼吸2回を1セットとして行いましょう。心臓マッサージは垂直に圧迫するように、地面が平らで固いところで行うと胸骨骨折なども防ぐことができます。心臓マッサージは救急車が到着するまで続け、事前に救命措置の講習を受けることをオススメします。

AEDが到着したらただちに電源を入れ、描かれている通りにパッドを装着しましょう。その際、AEDパッドを貼る皮膚の表面が濡れていないかを確認し、濡れていたらハンカチやタオルで水気を十分に取ってから貼るようにしましょう。パッドが装置されたらAEDが心電図の解析を行いますが、AEDが起動している時は傷病者には必ず触らないでください。傷病者に触ると電気の一部が流れて正しい解析ができなかったり、同じように心臓の痙攣を起こしてしまったりする恐れがあるためです。電気ショックが必要と出たら、ショックボタンを押して電気ショックを実行します。

電気ショックが完了したら、胸骨圧迫を再開しましょう。先程と同じように、胸骨圧迫を30回、つづけて人工呼吸2回を1セットとして行い、倒れている人に反応が現れるか、救急隊が到着するまで続けましょう。傷病者を救助する際、人工呼吸だけの心肺蘇生法ではできないことが多いのです。AEDは傷病者の心臓の状態を正確に解析した上で、電気ショックを掛けるか否かの判断をして実行するので、救急隊が到着するまでの間にAEDを使うことで傷病者の心臓は再び鼓動を開始する可能性が高くなり、尊い命を救えるのです。

次に、最近でこそAEDという言葉を比較的耳にするようになりましたが、AEDの購入価格や管理方法などを明記しているサイトはまだまだ数が少ないようです。それだけAEDは取扱いメーカーと機器の種類が少ないのと、契約方法や導入手順が不明瞭であると言えるでしょう。当ページでは数ある疑問の中からAED導入に関する費用についてご説明していきます。ちなみにAEDは「購入」「リース」「レンタル」できることを皆さんご存じでしょうか。AEDを「購入」「リース」「レンタル」したそれぞれの場合についても比較していきますね。

AEDの販売価格は幾らなの?

昨今、企業やスポーツ団体、高齢者福祉施設などを中心に設置導入されているAED。まだまだAEDを導入していない企業も多いようですが、中小企業以上の企業では総務が先頭に立って購入、設置しているところも目立つようになりました。では実際の購入価格はというと、各メーカーもピンキリで販売価格は大凡20〜50万円といったところのようです。同じメーカーで価格が異なるのは日英のバイリンガル機能がついていることや、利用者に分かりやすいようAED本体の液晶画面にイラストとメッセージが表示されるなどといったところで値段の差が出てくるようです。このように、本体内容に特別な差異はあまりないものの、比較すると料金は思いのほか差が出ています。

ほとんどのAEDが本体と消耗品がセット販売されていますが、メーカーや機種によっては消耗品などが付属されていないケースもあり別途購入しなければならないので、事前に必要になる付属品を必ず確認しておきましょう。また、AEDの消耗品として電極とバッテリーがあります。メーカーや商品によっても変わってきますが、一般的

に市販されているAEDであればバッテリーを1~2回、電極3~4回程度交換しなければならないので、そのことも念頭に入れておくと良いでしょう。

AEDが機能を正しく発揮でき、経済的に価値を持ち続けるかの限界の年数としてAEDの耐用年数があります。耐用期間はメーカーや機器によっても異なりますが一般的に6年〜8年で、製品に同梱されている医療機器添付文書や取扱説明書に詳細が記載されています。また、メーカーによっては商品登録をすることで耐用期間を過ぎる前に登録時のメールアドレスに通知が来るサービスもあります。耐用年数やメーカーの保証内容によっても販売価格は変わってきますので、ご自身や自社に合ったサービスをまずは十分吟味されることをおすすめいたします。

AEDの購入、リース、レンタルの違い

前章でAEDの販売価格を記載しましたが、人の命に関わる医療機器なので機器自体が高いのは当たり前なのですが、消費者側としては良い物を少しでも安価で利用したいと思います。そこで、AEDを購入した場合、リースした場合、そしてレンタルした場合の違いについて月額料金や所有期間などを通じて比較していきたいと思います。費用や期間、解約については実際の契約によって異なりますので、事前に販売会社にお問い合わせください。あくまでも目安としてご参考くださいませ。

項目 購入 リース レンタル
機種選定 新品 新品 中古品の場合も
機種の所有権 購入者 リース会社 レンタル会社
費用(月平均) 2,500円~3,500円(※消耗品込) 3,000円~4,500円(※消耗品込) 4,500円~6,000円(※消耗品込)
耐用年数を考慮すると最も安価 レンタルより安価、再リースの場合さらに安価。 リース料より割高、期間が短くなるほど割高。
所有期間 保証期間5年、耐用年数7年が一般的 5年が一般的 5年が一般的
期間満了後の扱い リース会社に返却または再リース契約で延長利用が可能。 レンタル会社に返却または延長レンタルが可能。
機種選定 自由 固定 固定
値引き 有る場合が多い なし なし
消耗品手配 所有者 リース会社 レンタル会社
サポート 購入会社による 有り 有り
修理費用 メーカー保証内であればメーカーが全額保証。メーカー保証がない場合や保証期間が切れた場合などは購入者が支払う。 原則リース料内に含まれる。 原則レンタル料に含まれる場合もあるが、ない場合は借りた方が修理費用を支払う場合も。

上記の表の中で、購入を検討されている方が最も気になる項目はおそらく費用のことだと思います

購入した場合には初期費用がどうしても高額になってしまいますが、長期で利用した場合でのトータルコストでは中間業者が介入しませんのでリースやレンタルに比べてダントツで安価に抑制することが可能です。また法人で30万円未満のAEDを購入した場合、AEDの導入金額を全額経費にすることも可能なので税制上優遇されるメリットもあります。一方、リースやレンタルで利用した場合、中間業者が入ってしまうことでトータルコストではやや割高になってしまいますが、サポートや修理の対応などは電話やメール一本でコンタクトが取れる上、初期導入時の支払いが安価に済ませることができるので、初めてAEDの使用を検討されている方や企業にとっては入りやすいかもしれません。

最終的にどちらが安価でAEDを利用できるのかという点では、長期的に利用する目線をお持ちの組織・個人の方なら購入の方がより安価で手に入れることができると思います。一方、まずは短期で試したい、とお考えの方ならリースやレンタルの方がより安価で利用できることでしょう。がしかし、販売店によっては時折キャンペーンを実施していて、大幅な割引を実施していることもありますので、販売店のキャンペーンを比較検討するとより安価で購入できるので、頻繁に販売店のホームページなどを確認すると良いでしょう。

AEDの「購入」「リース」「レンタル」のメリット・デメリット

初めに、AEDを「購入」「リース」「レンタル」した場合のメリットとデメリットを表にまとめました。

  購入 リース レンタル
メリット ・長期間利用した場合の費用がリースやレンタル比べてダントツで安価
・希望する機器を選択することが可能
・新品を利用できる
・法人の場合、購入全額によってはAEDの導入金額を全額経費にすることも可能
・メーカーの保守サービスを受けることができる
・毎月掛かる費用がほぼ一定な上、法人の場合には月々の支払が経費扱いになる
・新品を利用できる
・消耗品の交換費用も料金に含まれる(※1)
・保守サービスを受けることができる(※1)
・新しい機器への入れ替えが容易
・毎月掛かる費用が一定
・利用期間が自由に選べて、短期利用に向いている(中途解約できる)
・消耗品の交換費用も料金に含まれている(※1)
・保守サービスを受けることができる(※1)
・新しい機器への入れ替えが容易
デメリット ・支払いが一括なので初期費用がかさんでしまう
・法人の場合、固定資産として減価償却を自社で算出しなければならない
・消耗品交換は自己負担
・メーカー保証が切れた後の修理などは自己負担
・長期で利用すると購入に比べて高額の差が生まれる
・希望する機器を選択することができないこともある
・リース契約を中途解約することができない
・AEDの所有権がない
・長期で利用すると購入に比べて高額の差が生まれる
・レンタル会社からの在庫からしか機器を選択することができない
・新品ではなく中古品の場合もある
・AEDの所有権がない

※1 契約いかんによっては異なる場合もあるので、リース会社にお問い合わせください。

AEDを「購入」「リース」「レンタル」で比較した場合、特に使用する期間によって金額の差異が生じることや、保守サービスの有無、税制上の問題や消耗品の交換についてなどで大きな違いが生じています。ご自身の利用プランにあった利用方法を十分ご検討された上で、販売店に見積りを請求して焦らず正しい判断をしましょう。

これからAEDを購入検討している人に一言

このように購入、リース、レンタルを行うだけでも大きな違いが生じます。商品や販売店によっても価格や保証内容は変わってくるので、まずはご自身や会社などがどのような意図で導入するのかということを明確にすることが大事です。それらを踏まえた上で、しっかりと優先順位を決めた上で、販売店に「購入」「リース」「レンタル」の見積りをそれぞれ取ることをおすすめします。

ただしAEDは医療機器であるため、万が一の時にちゃんとした使い方でAEDを利用できなければ尊い人間の命を失う可能性もあります。とある企業では、「AEDを設置している」とうたってブランディングを図っていましたが、実際には「AEDを設置していただけ」で、本来は助けられた命を助けることができなかったと聞いたことがあります。つまり何を申し上げたいのかというと、企業単位でAEDを入れた場合にはAEDの研修を定期的に行い日頃から社員のAEDに対する意識を高め、導入後は総務や管理部が主体となってAEDの管理を面倒臭がらずに行うことが、傷病者に自信をもってAEDを使用すれば助かる命を助けることができます。購入をしたから安心という考えを捨てて、常に頭の片隅にAEDの存在を意識していただけることを願っています。