ここ最近、首都圏ではAEDを見る機会が増えてきており、公共の場では見ないことの方が少なくなってきています。それだけAEDがわれわれの生活と密接な位置付けへと変わってきているからでしょう。そんな近しい距離にあるAEDを企業や家庭で導入検討しているけど、実際どの機種を選んだら良いのか分からないという方も同様に増えていきています。これはAEDを販売している業者やAEDの機器自体の種類も増えたことでさまざまな情報が飛び交い、購入者側にとってはどれが正しい情報なのか?どれが自分にとって有益な機器なのか?と疑問に感じることも多いと考えます。今回はAEDを比較検討する上で重要な3つのポイントをご説明していきます。

AEDを比較する上で最も大切なものの1つ、費用のこと

(1)本体価格は幾らなのか?また価格比較するとどれだけ違うの?

AEDの購入価格はピンキリで、安いものであれば20万円前後のAEDから販売され、高額のAEDであれば50万円を超えるものまであります。(2019年5月現在) 

では、価格帯によってどれだけ機能が異なるのかというと、液晶モニターに心電図の波形が表示されたり、AEDの使い方を指示してくれる図と文字が表示されたり、AEDの状況をメールなどで離れた場所にいる設置者に知らせるサービスなどが付いている製品もあり、実際に消防などの現場で使われています。このような特別なオプション機能を必要とせず、標準機能で十分ということであれば20万円前後のAEDを比較検討されてみてはいかがでしょうか。

また、AEDは「購入」・「リース」・「レンタル」ごとに比較することによっても価格が変わってきます。リースやレンタルは金利が上乗せされるため購入する方が総額で安価になりやすく、また電極パッドなどの消耗品費もリースやレンタル費用に上乗せされて請求される場合もありますので、購入価格と比べて高くなっている傾向です。なお、販売業者によっては新機器への入替えなどで旧機器を割引していることもあるので、購入検討しているAEDの販売業者のホームページを確認してみましょう。

(2)AEDの消耗品交換やメンテナンスに掛かる費用とは?

AEDの消耗品として代表的なものとしてあげられるのが電極パッドとバッテリーです。電極パッドはAEDを使用する際、パッドをシートから剥がして傷病者の体に貼り付けものです。バッテリーはAEDが正常に使えるように電気を供給しているものです。ではAEDの電極パッドとバッテリーの交換目安と費用を確認していきましょう。

  • 電極パッド … 約2年くらいで交換、交換費用としては約1万円ほど
  • バッテリー … 約4年くらいで交換、交換費用としては約3万円ほど

消耗品については大体上述の費用が掛かることを想定しておきましょう。メーカーによっても費用は異なりますし、パッドとバッテリーが一体型になっているものもあります。もし詳細をきになるようでしたら、各販売業者に見積りや問い合わせをしておきましょう。

一方、AEDをリースまたはレンタルする場合、交換となる電極パットやバッテリー込みの値段なのかを最初に確認しましょう。消耗品の交換費用もリースやレンタル代に含まれている場合、購入の場合と比較すると高めの価格設定になっています。

以上を考慮してAEDを問題なく耐用年数をすべて使い切った場合、メーカーや商品ごとの消耗品費に価格の開きは少ないように思われます。またAEDをレンタルやリースする場合、月ごとの費用に消耗品代分上乗せされていることが多いので、購入より割高な印象を受けます。

またメンテナンスは、AED購入者側で日常点検や消耗品の管理などを実施して毎日機器が使える状態かどうかを確認するのが一般的ではありますが、それでも十分なメンテナンスをしたいという購入者向けとして、一部のメーカーでは約2~3万円で有償の定期点検を行っている業者もありますので、どうしても製品に対する不安がある場合はこのようなサービスを利用されても良いのではないでしょうか。なおリースやレンタルの場合、契約に含まれていますので必ず契約時に確認しておきましょう。

(3)製品ごとのコストパフォーマンスは?

ここでは某比較サイトで20万円台で販売しているAEDをピックアップし、本体価格と機能、消耗品などのメンテナンス費用を比較していきます。

①日本ストライカー社製の「AED 自動体外式除細動器 サマリタン350P

税込 215,784円

②オムロン社製の「AED 自動体外式除細動器 レスキューハート HDF-3500

税込 255,744円 (消耗品の交換費用は込みの金額)

③日本光電社製の「自動体外式除細動器 「カルジオライフ」 AED-3100

税込 259,200円

※2019年5月現在。上記商品は当サイトがランダムにピックアップしたもので、最安値を保証するものではありません。

では次に主だった機能の違いを調べていきましょう。

  • 「セルフテスト」 … AED本体に異常があるか否かの診断テスト
  • 「メモリ機能」 … 使用時の救助データ(心電図波形・インシデント記録)などを保存。
  • 「Bluetooth通信機能」 … 内部メモリに保存された救助データをパソコンにBluetooth通信で取り込む。

①~③の商品について、上記3つの機能が備わっているかどうかを調べてみましたが三商品ともデフォルトの機能でした。モニターの表示は異なります。

その次に消耗品などのメンテナンス費用を調べていきます。まずメーカー保証(耐用年数)について調べていくと、

①メーカー保証 8年(耐用期間8年)

②メーカー保証 5年(耐用期間8年)

③メーカー保証 5年(耐用期間7年)

と違いがありました。日本ストライカー社製のサマリタン350Pはメーカー保証が8年もあるので、②③の機種と異なり5年を経過して万が一故障してもメーカー保証を受けられます。

■AEDごとの製品機能比較

(1)小児対応はできるのか?

AEDを使用する上で傷病者の対象となっているのは「成人」と考えられている人が多いと思いますが、「子供」も突然心臓が止まる危険性を持っている場合もあります。 ここでは、前述の3機種で小児用としてどのように使えば良いのかを比較検討していきます。

①未就学児に除細動を行う場合、未就学児専用除細動パッドパックを接続。

②未就学児に除細動を行う場合、未就学児専用除細動パッドパックを接続。

③成人・小児モード切換スイッチで小児用対応が可能。

未就学児が多い場所にAEDを設置するのであれば、わざわざ電極パッドを交換しなければならない「パッド交換型」のAEDよりスイッチ一つで切り替えができる「スイッチ切替型」のAEDの方が、万が一の場合にも間違いが少なく使うことができるでしょう。小児を対象としてAEDを設置を検討しているのであれば日本光電社製の「カルジオライフAED-3100」がおすすめかもしれませんね。

(2)防水加工や防塵加工は備わっているのか?

機器の故障要因として主だったものと言えば水や埃です。各電子機器も防水加工や防塵加工をしている商品も増えてきており、AEDも例外ではありません。そこで①~③の3機種で 防水加工や防塵加工が備わっているのかを比較していきましょう。

①防塵・防水設計が施され、IP56の保護等級を取得。

② 防塵・防水設計が施され、IP56の保護等級を取得 。

③IEC規格IP55の防塵・防水性を完備。

上記のように、20万円台のAEDでも防塵・防水設計が施されており、国際電気標準会議が制定する国際規格を取得していました。人の命に関わる機器ですので当たり前なのかもしれませんが、こういった点にも注意しながらAEDを取得検討されてみてはいかがでしょうか。

(3)持ち運びは容易なのか?

AEDは設置している場所だけで操作するばかりではありません。道で突然人が倒れた場合、すぐそばにAEDが設置されていると限りません。そこで近隣にあるAEDを走って取りに行って、傷病者がいるところまで運ぶ必要があります。その際、AEDを運ぶのに機器自体が重く、取りに行ってくれたのが女性や子供であれば運び辛いこともありえます。ここでは①~③の3機種でどの機種が運びやすいのかを比較していきましょう。

①1.1kg、キャリングケース付き

②1.1kg、キャリングケース付き

③2.3kg、キャリングケース付き

三製品ともキャリングケースは標準装備されており、持ち運びで不便さを感じることはないでしょう。一方で、重量をみてみるとどうでしょうか。日本光電社製の「カルジオライフAED-3100」だけ他の2製品に比べて重量が約2倍あります。成人男性が2kgの荷物を運ぶことは何の問題ないかもしれませんが、非力な女性や子供、老人が運ぶ場合であれば少しでも軽い方が良いでしょう。上述を踏まえた上で考慮すると、日本ストライカー社製の「AED 自動体外式除細動器 サマリタン350P」またはオムロン社製の「AED 自動体外式除細動器 レスキューハート HDF-3500」が良いのではないでしょうか。

■AED所有後のサービス比較

(1)保証パックなどのメンテナンスフォローがある販売業者は?

AEDを購入したのは良いけどその後のことが一番大切です。実際AEDが起動しなかったり、誤作動していたら元も子もありません。

特に消耗品の交換においては販売店各社で対応が異なるようです。具体的には、「●年保証パック」という形でオプションを購入時に支払うことで、消耗品の期限切れのタイミングや使用時の消耗品の交換時に追加費用なしといったサービスを展開してる販売店は多くなってきています。

別途オプションとしてメンテナンス費用が掛かるものがあれば、最初から商品自体を高めに設定してパックプランとして売り出している業者もあるようです。また、家電量販店でAEDを初めて販売をしたのがビッグカメラは独自の保証システムがあるようなので、詳細を確認されたい場合は店舗まで直接問い合わせてみてください。このように販売業者によってもアフターフォローを徹底しているか否か異なりますので、販売業者のホームページにある商品説明や問い合わせて詳細を確認し、後悔のないAED購入を目指しましょう。

(2)AED取得方法。AEDの販売、リース、レンタルは選べるのか?

今までの説明でも記載してきましたが、耐用年数をすべて使い切った場合、リースやレンタルと比較すると購入することが最もコストパフォーマンスに優れていることが分かります。それでも企業でAEDを導入するにあたり、リースやレンタルは出来ないのかという要望もあることでしょう。販売店によってはリースやレンタル、購入のすべてに対応する店舗もあれば、販売のみでやっている店舗もありますので、購入機種が決まっても複数の販売店を見てみるのも大事になります。

■まとめ

AEDを「価格」・「製品機能」・「サービス」という点から比較していきました。

「製品機能」という点ではそこまで大きな違いが生まれませんでしたが、「価格」という点では違いが生まれました。とりわけ耐用期間におけるメーカー保証という点で、日本ストライカー社製の「サマリタン350P」は他の製品と比較しても保証期間は長いです。トータルで掛かるコストと保証期間からコストパフォーマンスを算出してもメリットがでます。

また、「サービス」という点でもオプションという形ではありますが、8年保証パック付きということで最初にオプション料を支払ってしまえば(少し割高になることが多いが)、消耗品の定期交換と使用時の交換時に追加で費用は掛からないというのもメリットと言えるでしょう。

今回は20万円台で販売されている商品を某比較サイトからピックアップして比較検討してきましたが、その他の商品と比較したらどうなるのか、今後もご覧になられている方に興味深い検証をしていきたいと考えています。